「全管連ビジョン2020」と共にコロナの先にある新時代を見据えよう
全国管工事業協同組合連合会
会 長 藤 川 幸 造
新年あけましておめでとうございます。
皆様には、健やかに新春をお迎えのことと謹んでお慶び申し上げます。
昨年を振り返りますと、新型コロナウイルスの感染が拡大した当初は突然の荒波にさらされたように情報が刻々と変わり、まさに世界中が五里霧中の日々となりました。本会は創立60周年の節目を迎えましたが、予期せぬこのコロナ禍により、10月に計画をしていた記念式典は中止となり、これまで準備に奔走してこられてきた地元の東京都管工事業協同組合連合会の宮崎会長をはじめとする東京ブロックの皆さんと無念の思いを共にいたしました。1日も早いコロナの収束を願うばかりです。
また、昨年7月の豪雨で九州や中部地方を中心に河川の氾濫などの災害が発生し、各地に大きな被害がもたらされました。被害に遭われた方々に対し、お見舞い申し上げますとともに、1日も早い復旧をお祈りいたします。
今年は、東日本大震災が発生して10年を迎えます。我が国では近年、地震や噴火、気候変動による豪雨といった災害が起き、その度に大きな被害が繰り返されてきました。その発災初期から応急給水が始まり、復旧段階となった時に現場へ真っ先に駆け付け最前線で従事するのは我々管工事事業者です。そのような重要な役割を担いながらも、一方では、特に地方での人手不足が深刻化し、若手技術者技能者の入職・定着が喫緊の課題となっています。若者から見ても魅力ある、そして働きがいのある業界・職場にするためにも、従業員の処遇改善として、とりわけ休日がしっかりとれるよう、工事種別ごとの工期確保が必要です。働き方改革では完全週休二日制の実現を目指していますが、組合員の会社経営が成り立つ適正な利潤が得られれば、週休二日にも対応できるのではと感じております。
そうした中、昨年10月に施行された改正建設業法では、著しく短い工期の禁止が明記されました。長時間労働が常態化している建設業の働き方改革の促進につながるとして、強く期待を寄せているところです。
また国には、設計労務単価の引き上げや社会保険未加入対策などの担い手確保策を意欲的に打ち出していただいておりますが、今後も息長く継続的な取り組みをお願いするとともに、全管連では、管工事の業態を的確に踏まえた労務単価や適正な工期設定等のためのガイドラインに沿った工事発注が行われるよう関係機関への要望を続けてまいります。
さて昨年実施した組合員を対象とした調査によりますと、従業員9人以下の企業が全体の6割、売上高2億円未満の企業が6割を占めています。そうした会社の中には、後継者不足で廃業してしまう例も少なくなく、今後に向けて危機感を強めているところです。本会は行政や水道関係機関のなかで一定の存在感を示している一方で、「建設業や管工事業のイメージ」「賃金水準」「残業の多さ、休日の少なさ」が課題となっており、深刻な人材不足に直面しております。それでも我々は会員が一丸となって前に進まなければなりません。創立60周年を迎え新たな時代に対応すべく、今後5年程度の目指すべき方向を示す『これからの管工事業界のために―全管連ビジョン2020』を策定いたしました。管工事業の仕事量確保と事業領域拡大、若者や女性の入職・定着と高齢従業員の活躍、休日確保などによる処遇改善などを盛り込みました。今後は本会の各業務の担当部門毎に具体的な対応策を検討し、順次実行に移してまいります。
多くの専門家が言うようにコロナとの闘いは長期戦になります。
コロナ以前の当たり前が懐かしく思われますが、前向きになるためにも、今、できることを探り続けねばと考えています。
一人一人がしっかりと感染対策に取り組み、新しい生活様式を実践しながら、共によりよい明日を作っていきましょう。
さて、今年7月に開催する通常総会及び全国大会等は、四国ブロック愛媛県支部の愛媛県管工事協同組合連合会(会長・櫻井健吾氏)に担当いただきます。地元愛媛県連においては、参加される方々を迎える準備を進めておりますので、全国から会員各位の多数がご参加を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、会員団体の一層のご発展と所属員各位の事業のご繁栄を祈念申し上げ、年頭の挨拶といたします。